今回ご紹介するのは、
「大喜や(おおぎや)」さんというお店の サンマのみりん干し です。
大喜やさんは、
魚屋さんというよりも、
干物屋さんです。
手作り・天日干しの干物屋さんです。
ジャジャ~ン
これ!
護摩壇のみりん干し(中身) |
護摩壇のみりん干し(外観パッケージ) |
醤油と砂糖(ザラメ)を煮詰めた漬け液に、
開いたサンマを浸け込み、
干したものです。
正式には、「護摩壇のみりん干し(ごまだんのみりんぼし)」
という商品名です。
大喜や さんの その他の干物は、こちら
http://hatsukano-hiroaki.blogspot.jp/2012/03/blog-post_17.html
他店ですが、サンマの甘露煮というのが有名なのは、こちら
http://hatsukano-hiroaki.blogspot.jp/2012/06/blog-post_08.html
こんな場所で売っています。
大喜やさんの場所は、ひたちなか市、といっても、
チョー海岸に近いところに立っています。
ここの地名を平磯といいますが、平らな磯が数キロに続いていることから、このような地名が付いたと言われています。
商品名「護摩壇のみりん干し」の護摩壇というのは、
大喜や(おおぎや)さんの目の前にある、磯の名前を
「護摩壇磯(ごまだんいそ)」と呼んでいるところから付けられたのかと
ボクが、勝手に想像しています。
護摩壇磯の由来は、
昔、弘法大師空海が平磯町を訪れた時に、
この磯の上で護摩壇を焚いた
という言い伝えのある磯です。
大喜やさんの目の前の磯(海岸の岩場) 左手が護摩壇磯と呼ばれています |
また、この地は、サンマの水揚げがある那珂湊漁港の近くです。
那珂湊漁港は、コミック「美味しんぼ」の第1巻に出てくる「あんこうの捕れる漁港」ですね。
今回のブログには載せませんが、今日は、アンキモも売っていたので、
ついで買いをしてしまいました(脱線)。
ここ、那珂湊漁港は、過去においてサンマが大量に水揚げされた町でした。
そんなこともあり、
この地に古くから住む人は、サンマのことを「ネコマタ((猫もまたいで歩くほど、ありきたりのものという意味です)」とも言います。
また、「サンマなんてお金をだして買ったことがなかった」
とか、「サンマは、道路に落ちてるものだった」
とか、まことしやかに伝わっています。
ある生産物が大量にとれた場所にはですね。。。
隠れた、郷土料理とか、地元に根づいた食べ方があるんですよ。
土産土法(どさんどほう)っていいます。
↓↓↓土産土法の説明はコチラ↓↓↓
四方山話(土産土法:どさんどほう)
このみりん干しもここの郷土料理のひとつですね。。。
ちょっとだけウンチクを、、、、
茨城県では、「サンマのみりん干し」と、「サンマの干物」は裂き方(開き方)が違います。
みりん干しは、腹開きと言って、腹の方に包丁を入れます。
サンマの干物は、背開きと言い、背中から包丁入れます。
理由は不明です。
また、干物のときは、サンマの頭を付けますが、みりん干しのときは、頭を取ります。なぜなんでしょうかね。。。。
ここで、大喜や社長さんのこだわりを、聞いてきましたのでご紹介します。
その1
着色料や保存料などは一切使わないそうです。そのため、冷凍で売っていますが、解凍してから、冷蔵庫で保存し、6日以内に食べてくださいとのことです。
実際に焼いてみるとわかるのですが。。。。。
一般のみりん干しは、焼いてしばらくして冷めると、固くなります。
ここのみりん干しは、固くなりません。
これは、一般的に照りを出すために水飴を使うのですが、
大喜やさんは、水飴を使わないで製造しているからなのです。
そのため、他社の商品をくらべて並べると、色があせて見えます。これが欠点かもしれません。
しかし、大喜やさんのみりん干しが本物だと思います。
その2
サンマは、道東沖(北海道の東方沖)でとれた物を使っているそうです。
よくみると、大喜やさんのみりん干しは、他社のみりん干しよりも、一回り大きいのです。
サンマが一番大きく、脂がのるのが、道東沖のサンマなんですって。
たしかに、食べ比べると、他社のみりん干しに比べて、
脂がのっていて美味いです。
その3
天日干しは絶対に譲れないそうです。
なので、大量生産ができない、やらないそうです。
この日も、サンマ以外にもキスなんかも天日で干していました。
そちらもウマそうです。
生産量を犠牲にしても、天日干しにこだわっているのです |
毎年少しづつ、改善を続けているそうです。
大切な考え方ですよね。見習わなければ。。。。。
一般的に、同じものを、毎年同じように作り続けると、
お客様は、その味に慣れてきて、味が落ちたと錯覚します。
お客様から、味が落ちたと言われないようにするには、
見た目は同じでも、
より美味しいモノへと日々向上することが大切です。
なかなかできないことですよね。
今回購入して、久々に大喜やさんのみりん干しを食しました。
うん。。ウマい。。。。
みりん干しの焼きあがった状態 このくらいの焼き上がりがベスト |
みりん干しは、短時間で焼けます。
焼き過ぎに注意です。
ボクは、ちょっと強めに火を通すのが好みです。
焦げる寸前で火を止める。というところでしょうか。
干物がふっくらと焼き上がるのは、天日干しの特徴ですね。
大喜やさんの干物は、どれもふっくらと焼きあがります。
「焼き鳥はタレ派」のボクには、
甘辛い醤油と砂糖の焦げた香りが
タマリマセン!!!
よく、観察すると、たしかに、以前と違います。
ここ大喜やさんの昔のみりん干しは、
サンマの尻尾のところに、
2cm位の中骨(背骨)を残していたのですが、
今回購入したみりん干しには、
中骨がキレイに外されていました。
いわしのみりん干しかと一瞬おもいました。
(以前は、いわしのみりん干しは、中骨を外して、サンマのみりん干しは、中骨を少しのこしていたということをしていました。理由は不明です)。
最近の傾向なんでしょうかねえ~。。。。
骨をつけると、クレームになるのでしょうか。。。。
ありそうです。
お味の方も、以前と比べると、少し違うようですね。
イマドキの味になっています。
なるほど。。。これもアリですよね。
ボクは、濃いめの味付けが好きなので、
昔の味が少しだけ、懐かしく思いました。
今回改めて「みりん干し」について考えてみましたが、
なぜ、腹開きなんだろうとか、
なぜ、頭を取るんだろうとか、
なぜ、(昔は)中骨があったんだろう
といった、課題が残りました。
大喜やさんへ、また聴きに行かなきゃ。。。。。
大喜やさんのみりん干しの大フアンです^^
返信削除あの震災でとっても心配しております。
大喜やさんも津波にのまれてしまったのでしょうか?
教えてください。
>もぐらさん
返信削除ご返事が遅くなりました。
津波はギリギリのところでセーフでした。
大喜やさんは、無事営業を再開してます。
先日買出しに行ってきました。